老眼と近視に手術は有効?レーシック・ICL・多焦点レンズの選び方
近視手術後に老眼が出るって本当?
「若い頃にレーシックを受けたけど、最近近くが見えづらくなってきた気がする」 「近視と老眼、どちらも手術で何とかなるのだろうか?」
40代以降になると、こうした疑問や不安を抱える人が増えてきます。特に**「老眼 近視 手術」**というキーワードで検索する人の多くは、視力の変化に戸惑いながら、自分に合った選択肢を探している段階です。
本記事では、レーシック、ICL、多焦点眼内レンズといった手術法の概要と、それぞれが老眼・近視にどのように関係しているのかを解説します。選択の前に知っておきたい注意点や、考えるべき視点も取り上げながら、理解を深めていきましょう。
レーシック|角膜を削ることで近視を矯正する手術
レーシック(LASIK)は、角膜をレーザーで削って形状を変えることにより、光の屈折を調整し、近視・乱視・遠視を矯正する視力回復手術です。1990年代から広く普及し、若年層を中心に人気を集めてきました。
レーシックの仕組みと老眼への影響
レーシックは眼の表面(角膜)に作用する手術であり、ピントを合わせる機能(=毛様体筋や水晶体)には直接関係しません。そのため、老眼を予防する効果はなく、加齢に伴う老眼は普通に進行します。
例えば、20代でレーシックを受けて30代まで快適に過ごしていた人でも、40代を過ぎると老眼のサインを感じ始めるケースがあります。
メリットと限界
- ✅ 角膜が薄すぎる人は適応外
- ✅ 老眼には直接的な効果なし
- ✅ 近視矯正後も老眼対策が別途必要になることが多い
このように、老眼 近視 手術としてレーシックを考える際には、「近視矯正=すべての視力問題が解決するわけではない」ことを理解しておくことが重要です。
ICL(眼内コンタクトレンズ)|角膜を削らずにレンズを挿入
ICL(Implantable Collamer Lens)は、角膜を削るのではなく、眼の中に特殊なレンズを挿入することで近視や乱視を矯正する方法です。レーシックとは異なり、**可逆性(取り外し可能)**であり、角膜にダメージを与えない点が特徴です。
老眼との関係
ICLも基本的には水晶体や毛様体筋に関与しないため、老眼の進行自体を防ぐものではありません。 ただし、ICLの設計や挿入位置によって、将来的な白内障手術や多焦点眼内レンズとの組み合わせがしやすくなるという利点もあります。
どんな人に選ばれる?
- ⭕ 角膜が薄くてレーシックができない人
- ⭕ 高度近視でしっかり視力を出したい人
- ❌ 老眼の根本的解決を期待している人には向かない場合がある
老眼 近視 手術としてICLを検討する際は、「あくまで近視の矯正方法のひとつであり、老眼への効果は間接的」という理解が重要です。
多焦点眼内レンズ|白内障と老眼を同時に対応する選択肢
多焦点眼内レンズ(多焦点IOL)は、白内障手術の際に使用される人工レンズのひとつで、遠く・中間・近くといった複数の距離に焦点を合わせる設計になっています。
仕組みと期待される効果
加齢により水晶体が濁ってきたとき、白内障手術でその水晶体を取り除き、代わりに多焦点レンズを挿入することで、老眼と白内障を同時にカバーする効果が期待されます。
また、近視がある人でも、手術時に度数を調整することで、近視と老眼の両方に対応できるケースもあります。
注意点と限界
- 見え方に慣れが必要(ハロー・グレアなど)
- 夜間の運転などに支障を感じる場合も
- 完全な“裸眼生活”が得られるとは限らない
多焦点眼内レンズは、老眼 近視 手術の選択肢として注目されていますが、誰にでも適しているわけではなく、ライフスタイルや職業との相性を考慮することが大切です。
手術を考える前に知っておきたいこと
自分の視力の状態を把握する
手術を検討する前にまず必要なのは、現在の視力状態を正確に知ることです。
- 近視の度数はどれくらいか
- 老眼の進行具合(+の度数)
- 白内障の兆候はあるか
- ドライアイや眼疾患の有無
視力や眼の状態によって、適応できる手術の種類は異なります。
医師との相談を重ねることが何より重要
どの手術にもメリット・デメリットがあり、「これが正解」という唯一の方法はありません。 信頼できる眼科医と納得のいくまで相談を重ねることが、後悔しないための最も重要なプロセスになります。
まとめ|老眼と近視の手術は「万能」ではないが、選択肢のひとつ
老眼と近視の両方に悩む人にとって、「手術で一気に解決したい」と思うのは自然なことです。 しかし、この記事で解説したように、
- レーシックは老眼には直接効果がない
- ICLは近視に有効だが、老眼対策にはならない
- 多焦点眼内レンズは老眼と白内障に対応できるが、すべての人に合うとは限らない
という点を理解したうえで、長期的な視生活を見据えた判断が必要です。
「老眼 近視 手術」というテーマには、医学的・生活的・心理的な要素が複雑に絡んでいます。 焦らず、情報を集め、専門家の意見を聞きながら、自分にとって最適な選択を探っていきましょう。